Der grosse Hodens und die einsame Zeit

"Und wer ein Schöpfer sein muß im Guten und Bösen: wahrlich, der muß ein Vernichter erst sein und Werte zerbrechen."

ビッグペニスの美学史

 

Nein - Nicht mehr! Ha!

Schon fühl' ich den Tod mich umnachten,

und noch einmal sollt' ich ins Leben zurück?

Wahnsinnige!

Wer will mich zwingen zu leben?

Könnt ihr doch Tod mir nur geben!

Hier bin ich, - die off'ne Wunde hier!

Das mich vergiftet, hier fliesst mein Blut: -

Heraus die Waffe! Taucht eure Schwerte

tief, tief, bis an's Heft!
Auf! Ihr Helden!

Tötet den Sünder mit seiner Qual, -

von selbst dann leuchtet euch wohl der Gral! ...

 

Richard Wagner,  Parsifal.

 

「美」(to kalon, kallos)とは何か。

「美」は対象に内在するものか、あるいは私達の感官に由来するものか。

色、大きさ、形状、質量様々な美的要素は、対象に備わっているのか、私の神経のきらめきかか(つまり、美的な要素など実在せずただあるのは美的に感じたという事実のみが在る)

 

 

ある都市の首長は、街の中心に設置された巨大な石に美的エクスタシーを感じているという。

現代的な・現実を舞台としたこのような総合芸術は、人類が知性の歴史の演者となって以来、何度も繰り返されてきたものである。

こうした舞台に対して、そしてその舞台装置と演者に対して、我々は生理学的・生物学的・美学的な関心を、そして「あまりに人間的な」ものについての感興を覚えるのだ。

(驚くべきことに、我々の美学的ヴィジョンは常に巨大な陰茎を中心としていた!)

 

彼(私、私達)が巨大な石を視認するや否や、彼(私、私達)の眼球へと局所的な情報の洪水が――巨大なペニスが!――雪崩れ込んだ。そしてそれは彼(私、私達)の感官を掛け巡り、ありとあらゆる神経が火花を散らして、彼(私、私達)の前立腺へと終着した! この時既に、現代理性の捉えた心、すなわち脳味噌は、視覚を触覚へ変えていた。結果として、集中砲火を浴びた前立腺は震え、破壊された。

それは創造的な破壊だ――彼(私、私達)は手を用いずに射精した。

 

 

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続く

 

無意識と賭博行為についての断章

 

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前意識は、意識せんと意志することによって意識となる。

無意識は、抑圧を取り除く何らかの治療的行為によって意識となる。

 

 フロイトは既に黴臭い古典となってしまった。それでも尚、人間は意識されぬものを超克することが可能だとする見解は現代的な良識である。このことを換言すれば、我々は往々にして、自身のあらゆる行動を、意識の下に統制することが可能だと感じているし、また信じたいと思っている、ということになる。

 

「わたくしは自ら望んで――つまり、理性の光輝の下に――酒を飲み、タバコを吸い、パチスロをして、マスをかいて、夜食を食べ、マスをかいて、寝る」のである。

 

 無論近年の心理学や脳神経学の進展は、こういった良識ないし信仰の土台を、根本的に掘り崩し得る可能性を大いに秘めているのたのだ。


続く